お兄ちゃんの友達と、秘密のキス。
ちょっと待って。なにそれ。


なんか七瀬さんって……実は意地悪??


さっきまでと、全然キャラが違うような。


「いや、あの、それはちょっと……」


うぅ、どうしよう。


もし断ったら、お兄ちゃんにバラされちゃうのかな。


でも、さすがになんでも言うことを聞くなんて……。


そしたら七瀬さんはそこでクスッと笑うと、ポンと私の頭に手を置いてきた。


「なーんてね」


「……え?」


「あはは、冗談冗談。からかってごめんね」


な、なんだ。今の、からかってただけなんだ。


ビックリしたよ。


「椎奈ちゃんってほんと可愛いね」


「……っ」


さっきまでと違い、今度は優しい笑顔を見せられて、ドキンと胸が高鳴った。


ど、どうしよう。可愛いって言われた……。



< 40 / 51 >

この作品をシェア

pagetop