求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「結衣も同じ気持ちだって思っていい?」
今までにない距離で見つめ合う形になる。
端正な遥人の顔をこんなに間近で見るのは初めてで、心拍が上がり冷静さなんて保てない。
それでもなんとか頷いた。
「はい……」
遥人はとても幸せそうにふわりと笑った。
「良かった」
結衣の背中にそっと手を伸ばすと、柔らかく抱き寄せる。
「あ、あの……才賀君」
結衣がびくりと体を震わせると、遥人はすぐに体を離した。
「ごめん、嫌だった?」
「違う、驚いちゃって、急だったし」
いきなりこんな触れ合いになるとは思ってもいなかったから。
「そうだよな。ごめん、俺はいつも結衣に触れたいと思ってたから。告白して応じて貰えて調子にのった」
「私こそごめん、慌てすぎだよね。こういうの久しぶりだったから上手く振舞えなくて……でも全然嫌じゃなかったよ」
「もう一度抱きしめてもいい?」
「うん」
遥人は今度もそっとまるで壊れ物でも扱うように、結衣の体を抱きしめた。
彼の腕の中は温かく、ときめきだけでなく安心も感じる。
「結衣、好きだよ」
耳元で囁かれ結衣は遥人の背中に自分の腕を回しながら答えた。
「私も好き、才賀君が大好き」