求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~

彼は多忙で席に着くとたいてい上司から声をかけられたり、それがなくても、梓を始めとした後輩が相談にやって来る。

たしかに落ち着かないだろう。

「そういうこと。行こう」

遥人はさっさとソファーに向かう。断るのも悪い気がして結衣もその後をついて行った。

休憩スペースは大きなグリーンの鉢で囲まれていてそこまで人目が気にならない為、リラックス出来る。

(でも、私を誘うなんて……)

気持ちを穏やかにしたい休憩時間に結衣がいたら落ち着かないのでは?

それとも何も思っていない相手だから気にならないのだろうか。

(それも悲しいかも)

大柄な男性が三人座れそうなソファーの端に遥人が腰を下ろす。荷物はソファーの隣に丁寧に置いていた。

結衣は一瞬迷ってから、少し距離を開けて遥人の隣に座った。

オフィスビルには結衣たちが働く連城設計以外に、連城地所傘下の企業が入っている。
だから休憩スペースはいつもほぼ満席なのに、今日に限って結衣たち以外に簡単な打ち合わせをしている雰囲気のふたり組しかいなくて静かだった。

(なんか……気まずいな)
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