求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~

「瀬口、お前その自分勝手なところいい加減にしろよ。今回の件だって水島さんにもの凄い迷惑をかけてるってのに偉そうな口利くなよ」

「いきなり何なの? こっちは才賀さんと仕事の話をするんだから邪魔をしないでくれる?」

菅原と梓は同期な上に同ポジションなので、お互い遠慮がない。

それは知っていたことだけれど、店内で諍いを始めるのは止めて欲しい。
関わりたくなかったけれど、結衣は仕方なく仲裁に入る。

「菅原君、落ち着いて。他の人の迷惑になるから」

菅原は結衣の言葉は素直に受け入れられるのか、まずいという顔をする。

「すみません、ついカッとして。水島さんに嫌なところ見せてしまいました」

「嫌とは思わないけど……」

凹んでしまった菅原にフォローをしようとしていると、遥人が口を挟んで来た。

「菅原と瀬口さんの間で何か問題があるのか?」

菅原に向けた言葉だった。

「いやそれは……」

菅原は結衣にちらりと視線を向けながら、困ったように頭を掻く。遥人は再び目を細めた。

「……ここ四人席だから俺たちも座っていいか? 何か問題があるみたいだから、俺も聞いておきたい」

遥人はそう言うと、さっさと結衣の隣に座ってしまう。

「才賀さん?」

梓が責めるような声を上げるが、遥人は涼しい顔で空いている残りの席に座れという。

(え……嘘でしょう?)

一体なぜこんなことに?
いつになく強引の遥人によって、なぜか四人で昼食という非常に気まずい状況になっていた。
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