求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
遥人と梓はろくにメニューを見もせず、“本日のランチ”を注文した。菅原がドリンクを追加で頼む。

店員が去ると途端に気まずさがあふれ出した。

(このメンバーはきつすぎるよね)

居心地の悪さを覚えていると、斜め前に座る梓が結衣の手元を怪訝そうに見た。

「水島さん、そんなに残すんですか?」

言われて手元を見れば、すっかり冷めてしまったオムライスがまだ三分の二程残っている。

「食べるよ、みんなの料理が届いたら……」

「そんな気を遣わなくていいんじゃないんですか?」

最後まで言わない内に、うんざりしたように言い返された。梓の機嫌はかなり悪いようだ。

(まあ無理もないよね。きっと才賀君とふたりでお昼を食べたかったんだろうから)

梓は遥人が好きなんだろう。それが異性としてなのか断定は出来ないけれど、確実に特別には思っている。

遥人はどう梓の気持ちに気付いていないのだろうか。わざわざ結衣たちのテーブルに同席して来るなんて。
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