求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~

「あの……重いとかじゃなくて驚いてしまって……でもありがとう。私とのことをそんな風に考えてくれているなんて、本当に嬉しい」

遥人も嬉しそうに微笑んだので、ああこれは現実なのだと実感する。

(私が才賀君と結婚……)

まるで夢を見ているようだ。結衣はこれまで具体的に結婚を考えたことはない。それでも憧れのようなものは持っていた。

いい年をしてと思われるかもしれないが、可愛らしいドレスを着てきちんと結婚式をしたい。新居には居心地の良い家具で揃えて、家事は自分がしっかりやるつもり。

(才賀君は仕事が忙しいから家のことは私が頑張らないと……あ、でも会社は辞めないといけないのかな)

そこまで考えてはっとした。いくらなんでも先走り過ぎている。

(結婚を考えているって言われただけで、正式にプロポーズされた訳じゃないのに)

舞い上がっている自分が恥ずかしい。

だけど喜びがこみ上げて来てソワソワするのを押さえられない。
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