求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
(う、うそ……)
背もたれの高いソファーのため、後ろから見られる心配はない。
けれど突然増した密着度に、体がかあっと熱を持った。
「結衣にもっと妬いて欲しい気持ちはあるけど、これからは不安にさせないようにする」
「う、うん……」
「他にも気になることが有るなら何でも言って?」
肩を抱かれているせいで、遥人の声が耳元でしてくらりとした。こういった状況に慣れていない結衣は、冷静でいられない。
おかげで口数も増していた。
「気になることはいっぱいあるよ。才賀君は本当にモテルから瀬口さん以外の女性の存在も心配だし」
「俺は結衣しか見てないけど」
いっぱいいっぱいになる結衣に対して、遥人は余裕が増しているようだ。
それどころか起きてもいないことを心配して嫉妬する結衣の言葉に、機嫌を良くしているようにも感じる。