求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「その女性は才賀君とどんな関係なの?」
結衣の質問に、遥人はますます顔を強張らせた。同時に結衣の不安も増して行く。
「その女性と……付き合っていた」
「えっ?!」
結衣の口から押えられない大きな声が漏れた。咄嗟に手で口元を覆ったけれど、眩暈がしそうな程動揺している。
(付き合ってた相手? え……どいういうこと?)
少なくともあの事故の数日前に、遥人は結衣を好きだと言った。
(恋人がいるのに、私も好きになったの? うそ……)
それはいくらなんでも酷すぎる。結衣もその恋人をも傷つける行動だ。とても信じられなかった。でも遥人自身が言ってるのだから、なにかの間違いではない。
愕然とする結衣に、遥人が慌てて言う。
「でも今は別れてるんだ」
「え……それはどういう意味?」
「相手の女性については以前から知っていたけど、付き合い始めたのは記憶を失っている期間のことなんだ」