求婚蜜夜～エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい～

「迷惑……だったんですか？」

「相談されることが迷惑と言ってる訳じゃない。ただ俺にも都合があるってことを考えて欲しい。それに水島さんへの態度も改めるべきだ。アシスタントには俺たちが見えない苦労があるし、どちらが上の立場だってことはない」

梓は眉根をぎゅっと寄せる。言おうか言わないか迷っているようなそんな態度。しばらくの葛藤ののち、決心したように口を開いた。

「水島さんだから庇ってるんじゃないですか？　才賀さんはあの人を特別扱いしています。同期だからにしても腑に落ちません。どうしてですか？」

「特別扱いは……」

「していないなんて言わないで下さいよ！」

被せるように叫ばれ遥人は小さく溜息を吐いた。

「そうやって他人に自分の主張を押し付けて、何かを強要するところを直せって言ってるんだよ」

「え？」

「身勝手もいい加減にしろ」