求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「俺が水島さんをどう思っているかは、仕事には関係ないと思うけど」
「そ、そうですけど……個人的に気になります。答えてください」
ここに来て梓の様子に変化が生まれた。
先ほどまでの怒りとは別の焦燥感のようなものが見え隠れする。
その理由に思い至り、遥人は眉をひそめた。
自分の勘違い、ただの思い上がりかもしれない。ただもし勘が当たっているのだとしたら、早めにはっきりさせておくべきだろう。
「そこまで言うなら、プライベートの質問として答えるけど、好きだよ彼女が」
梓の目が大きく見開かれる。その瞳には動揺が浮かび遥人の予感を肯定しているようだった。
「ど、どうして……」
「理由は必要ないと思うけど。言うつもりもないし」
「……だから水島さんには、親切で優しいんですね」
「仕事に私情は入れてないつもりだけど。でもそうだね。瀬口さんがいつまでも彼女に攻撃的なら俺も黙ってはいられないと思うよ」