求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「遅れて悪い。盛り上がってんなー」

高野は頭を掻きながら、ちゃっかりと遥人の近くの席に割り込む。

「高野がこういう日に残業するのは珍しいよな」

「しぶしぶね。来週、契約があるんだけど条件の見直しがあったんだよ。というか結構前に言われてたんだけどうっかりしててさ」

「うっかりするなよ。どこの契約なんだ?」

いつの間にか高野が話題の中心になっている。

ムードメーカーの彼の参加でますます盛り上がり、一次会は終了二次会へと流れていった。

今回は週末ということもあり、結衣も二次会まで参加した。


更に次に行くというメンバーと別れ、遥人と一緒に駅に向かう。ふたりで抜けるのを怪しく思われないか心配だったが、皆既に酔っぱらっていたせいか、または結衣と遥人の組み合わせに違和感がないのか揶揄われるようなことはなかった。

時刻は深夜十一時半。

「沢山飲んだね。みんなと話も出来て楽しかった」

盛り上がった気持ちのまま結衣が明るく言うと、遥人も楽しそうに微笑んだ。

彼も周りに合わせて結構なペースで飲んでいたはずだが、顔色に変化はない。

結衣も弱い方ではないけれど、遥人は相当強そうだ。

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