求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
(……相変わらず完璧)
綺麗なアーモンド型の瞳は日本人にしては明るい澄んだブラウン。
形の良い眉に高くすっきりした鼻梁、薄い唇。夏の名残で少し焼けた肌はとても滑らかだ。
ブラウンのショートレイヤーヘアが爽やかでよく似合う。
容姿が優れているだけでなくセンスの良いファッションに、好感度の高い香りと、本人は特に意識していなそうなのに女性に好まれるポイントを押さえている。
更に高学歴で、家柄が良いとの噂通りの上品な立ち振る舞い。
当然、オフィスでの注目度も高く、彼に憧れている女性社員は多いし、中には堂々と彼と付き合いたいと口にしている子がいるらしい。
その気持ちは分る、確かに遥人は素敵だから。
だけど結衣自身が、遥人とどうこうなりたいなんて考えたことはなかった。
入社して五年。もう二十七歳になる。
イケメンとはいえ見慣れた同期に、今更ときめくはずがないし、平凡な自分と何かとハイスペックな遥人では似合わないと分かっている。
そもそも彼とは同期入社の同僚で、それ以上でも以下でもないのだから。
そんな認識だったはずなのに……。