求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
気が済むまでお互いを求め抱き合い、気を失うように眠りに落ちた。
目覚めは偶然にもふたり同時。カーテンから漏れる朝の光に導かれるように意識は浮上した。
目が合い、何も身に付けていない相手に気付き、昨夜の出来事を思い出す。
結衣は途端に気恥ずかしくなり目を逸らしたけれど、遥人は結衣を抱きしめて来た。
「おはよう」
優しい声で言う彼の目は、声よりももっと優しく愛情に溢れていた。
「お、おはよう」
結衣の声は少し掠れている。それが昨夜の行為の激しさを物語っているようで更にいたたまれなくなった。
「体は大丈夫か?」
遥人は労わるように結衣の髪を撫でる。気遣いの言葉は変わらないけれど一線を超えているせいか、結衣に触れる手に躊躇いは見られない。
「だ、大丈夫」
「ごめんな。なし崩し的に抱いて」
「ううん。私も望んだことだから」
あの時は、一瞬だって遥人と離れたくなかった。自分の体に彼を受け入れたとき喜びは有っても後悔なんて少しも無かったのだから。