求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
遥人は愛しそうに結衣を見つめ、自然な流れでキスをする。
「結衣が愛しくてたまらない」
端整な顔にとろけるような優しい笑みが浮かぶ。結衣の頬はたちまちかあっと熱を持った。
「私も才賀君が好きでどうしようもない」
「嬉し過ぎるな」
遥人はベッドに肘をついて上半身を起こし、結衣を自分の体の下に組み敷いた。
そうされるとまるで支配されているような気がして、結衣の心臓はどきどきと脈うちはじめる。けれどそれはもちろん嫌だからではない。
いつになく強引な遥人も好きなのだ。
「ん……」
熱いキスが降りて来る。充分に結衣の唇を味わった遥人は、そのまま唇を滑らせ耳元に。
「あ、ん……」
昨夜の余韻で直ぐに体が敏感になった。遥人の唇は結衣の首筋から鎖骨に移り、強い執着を見せるように吸い上げる。
お互いの手はしっかり重なり決して離れない。
「あ……才賀君……ああ、お願い……」
ゆるゆると続く愛撫のもどかしさに結衣は堪らない気持ちになって声を上げる。
もう恥ずかしなんて言ってられない程、体が熱くてたまらない。
「結衣、どうした?」
遥人の熱の籠った声が耳元でする。彼のことだから結衣の願いなんて分かっているはずなのに、気付かないふりをしている。
「才賀君、私……」
もっと先に進みたい。そう口にしようとしたそのとき、そのとき、スマートフォンのアラーム音が部屋中に響いた。