求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~


帰宅した遥人は家族にこれまでの経緯を詳細に説明した。

遥人目線の話だと認識した上で、家族は納得してくれた。

父と兄はしっかり対応しろと言うだけで、積極的に関わるつもりはないようだった。母は多少過保護な面があるため、納得して貰うのにとにかく時間がかかったが、最終的には口だししないことを約束してくれた。

結衣への蟠りもなく、むしろ被害者だと同情している様子も見れた。

問題は残すところ日奈子だけ。遥人は日奈子の北桜家をひとり訪れた。

「遥人さん、待っていたわ!」

事前に連絡をしていた為、日奈子は待ち構えていたようだ。北桜家の玄関ホールで遥人に駆け寄り手をとろうとする。

一歩下がり、彼女から距離を置いた遥人は、笑顔も見せず「挨拶よりも話しがしたい」と突き放した。

日奈子は戸惑いながらも遥人を応接間に案内した。

ソファーに腰かけ、お茶を届けに来た北桜家の使用人が退室すると、日奈子は落ち着きの無い様子で切り出した。
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