求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「あの人のどこがいいの? 平凡で家柄だって遥人さんに釣り合ってないじゃない!」
「彼女の全てが好きだよ。だから君は二度と近づくな」
「そ、そんな……酷い」
「酷いのはどっちだ? 今回の件は君のご両親にも報告し、俺たちに二度と近づかないように約束して貰う」
日奈子の目に絶望が浮かぶ。
「近付かないって……俺たちって……」
「話は以上だ。ご両親には日を改めて代理人を通して連絡する」
日奈子が崩れ落ちて号泣するのを、ソファーから立ち上がった遥人は無表情に一瞥した。
その後、振り返らずに部屋を出た。