求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
翌日からは再び仕事の日々。
記憶を取り戻した遥人は、いっそう意欲的に仕事に取り組んでいた。

結衣も心が満たされているためか、最高のコンディションを保ち、テキパキと仕事をこなしていた。

著しい効率アップ。
だけど一番の変化はだけど、遥人が結衣との関係をオープンにしたこと。

『水島結衣さんと付き合うことになりました』

と上司の白川課長をはじめとした同僚たちに報告したのだ。

白川課長とまどかは「やっぱりね」と受け止め、菅原はなぜかガッカリしていた。

同期の皆は驚きながらも喜び、部内の同僚たちは困惑していた。

そんな風に様々な反応が返って来たものの、心配していたような結衣が悪く言われる事態は起きなかった。

その後すぐに年末年始の休みに入ったせいもある。

遥人とは可能な限り一緒に過ごした。

仕事納めの日はホテルに宿泊してゆっくり過ごし、結衣が実家に帰った後は電話を欠かさなかった。

来年は一緒に年越しをしようと約束して迎えた新年。



二日目に隣県の実家から戻った結衣は、緊張しながら遥人の迎えを待っていた。

清楚に見えるワンピース。髪は毛先を丁寧に巻き、スキンケアを念入りに清潔感を心掛けたメイクをした。

準備は万端。それでも何か問題はないか気になり何度も姿見でチェックしてしまう。

(駄目だ……緊張して胃が痛い)

今日は遥人と初詣に行く。それは楽しみでしかないイベントだが、問題はその後。

彼の家に行き、家族に挨拶をするのだ。

遥人曰く、家族は結衣に会う為に家で待機しているとのこと。

(ああ、プレッシャーが……)

遥人の家に行くのも初めてなのだ。ものすごいお屋敷を想像しているけれど、実際はどうなのだろう。

家族は全員連城グループの関係者で結衣から見れば雲の上の存在。

遥人は気を遣わなくていいというが、緊張するなという方がムリだ。

ウロウロと落ち着きなく部屋を歩き回っていると、時間五分前に遥人が迎えに来た。
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