求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
結衣の顔を見た遥人は、少し困ったように眉を下げた。
「顔色が悪い。もしかして胃が痛い?」
遥人は今日はスーツ姿。結衣のワンピースに合わせてくれたようだ。抜群のスタイル名だけに怖い程にあっている。
整った顔、これといって何もしていないのに華やいだ雰囲気。とにかく人目を引くかっこよさで、結衣はますますどんよりした気持ちになった。
(才賀君がかっこいいのは嬉しいけど、でも釣り合いが……)
彼の家族も美形揃いなのだろうか。そんな中に混じる結衣。絶望しか感じない。
「……今日は初詣だけにしておくか?」
「駄目だよ! だって挨拶に行くって言ってるんでしょ?」
「そうだけど、結衣の体調の方が大事だろ? 無理をさせたくない」
「いや、挨拶の方が大事。だって才賀君の家族なんだから。ちゃんと顔を合わせたい。どうしても緊張しちゃうけど、認めて欲しいから」
釣り合わないと自覚していても、遥人と離れるなんてあり得ないのだから。遥人が柔らかく微笑む。
「ありがとう。何が有っても俺がフォローするから安心して」
「うん、頼りにしてるよ」