求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
愕然としている中、秘書室長の声が耳に届く。
「半年とそれ程長くはない期間ですが、仕事上の変化は大きいかと思います。白川さんと水島さんの助けが必要です」
「……はい」
相槌を打ちながらも、衝撃は消えないままだ。
(変化が大きいのは仕事だけじゃない、私たちの関係も……)
少しずつ近づいた距離が、元に戻ってしまったのだから。
半年前の遥人にとって結衣は大勢いる同僚のうちの一人。
(私を好きだと言ってくれた気持ちは、今はないんだ)
その事実に、目の前が真っ黒になった。
黙り込んだ結衣を怪訝そうに見遣りながらも、白川が話を進める。
「しばらくは内勤で業務の確認をした方がよさそうだ。水島が資料を纏めてくれたからそれを見ておいてくれ。周りにはまだ本調子じゃないと説明しておくから」
「分かりました」
遥人は記憶の問題について、受け入れているように見えた。
忘れてしまったものは仕方がない、これから取り戻すように努力すればいいとでも考えているのだろうか。仕事に関してかなりやる気に溢れているのが伺える。
前向きで悲壮感は全くない。落胆しているのは結衣だけだった。
「半年とそれ程長くはない期間ですが、仕事上の変化は大きいかと思います。白川さんと水島さんの助けが必要です」
「……はい」
相槌を打ちながらも、衝撃は消えないままだ。
(変化が大きいのは仕事だけじゃない、私たちの関係も……)
少しずつ近づいた距離が、元に戻ってしまったのだから。
半年前の遥人にとって結衣は大勢いる同僚のうちの一人。
(私を好きだと言ってくれた気持ちは、今はないんだ)
その事実に、目の前が真っ黒になった。
黙り込んだ結衣を怪訝そうに見遣りながらも、白川が話を進める。
「しばらくは内勤で業務の確認をした方がよさそうだ。水島が資料を纏めてくれたからそれを見ておいてくれ。周りにはまだ本調子じゃないと説明しておくから」
「分かりました」
遥人は記憶の問題について、受け入れているように見えた。
忘れてしまったものは仕方がない、これから取り戻すように努力すればいいとでも考えているのだろうか。仕事に関してかなりやる気に溢れているのが伺える。
前向きで悲壮感は全くない。落胆しているのは結衣だけだった。