求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
(あのネックレスはむしろ……)
ふいに結衣の姿が思い浮かんだ。
派手さはないけれど清潔感のある彼女に似合いそうだと思ったのだ。
スマートフォンの画面をタップして結衣とのトークルームを表示する。
彼女が言っていた通り、ここ半年の間でやり取りが増えていた。
ただ内容としては深いものではなく、挨拶や仕事の連絡程度。
事故当日に彼女からメッセージが来ていたが、先に読んだ高野のメッセージで何かを貸す約束をしていた為と分かっている。
休職中には二度連絡が来ている。同僚を気遣う一般的な文面で、彼女は白川から事情を聞いていたそうだから心配してくれたのだろう。
親しくなったと言っても、あくまで会社の仲間。個人的に特別仲が良かった訳では無さそうだった。
そう結論付けたもののなぜだか胸がモヤモヤとした。分からないことが多過ぎるからだろうか。
遥人はスマートフォンを手放し溜息を吐いた。