求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
5 決断 遥人side

『ごめん、私そろそろ行くね。明日も仕事だし早く帰りたいから』

そう告げて去っていった彼女の声は今までにないくらい素っ気なく、表情も強張っていた。

それだけ傷つけてしまったのだ。

遥人はこみ上げる罪悪感で、その場から動けなくなった。

真実が知りたいと迫ったのは自分だった。

けれど結衣から告げられた内容に言葉を失った。

『事故の少し前に才賀君は私を好きだと言ってくれたの。私も……同じ気持ちだったから嬉しくてその気持ちを才賀君に伝えた』

自分が彼女に好意を持っていたのだろうと言うことは予想していた。

セミナーの資料を彼女に渡していたことで、もしかしてと疑い、さらに同期たちの発言を聞き確信を持った。自分は彼女に積極的にアプローチしていたのだろうと。

ただ確証が欲しくて結衣本人に聞いた。

それがまさか、彼女も遥人に好意を持っていてくれていたなんて。
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