ずっと前から両想い

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「お、やっと大澤も持ってきたのか。」

待ちわびていたように仁王立ちする磯川先生はいつもより迫力が二割は増している。

浮かない顔の私に先生は、帰りに校庭に寄ることを勧めた。

用紙が手元から離れてひと段落した私は、周りに明るい性格の子が多いのもあり普通に笑えていた。

クラス内は大体六つのグループに分かれていたが、男女関係なく仲が良い。

この学校ならではのオリエンテーションが終わった後にグループが構築され始めた。

その中でもひと際盛り上がっているグループに私がいたのは、芽生えた恋心が原因。



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