板チョコ座標系物語。
「ここはお菓子王国である。
さすらい人よ、よくぞ参った」

あたしたちは板チョコ兵に囲まれて徒歩で移動する。

「お菓子王国は、リアルワールドとは必ずしも敵対していないのでね」と板チョコ王子。

金髪で薄い青い瞳のすらりとした青年でファンタジーっぽい衣装を(まと)っている。
あたしは黒髪のちみっこだ。

「でもあたしにはなにもできません」
「なら、鍵を渡す。
銀の板チョコを三枚渡そう。

板チョコを食べてから半日はリアルワールドに帰還ができる」

こうして、お菓子王国の一員となったあたし。

さすらい人が集まる街があった。
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