Re:unknown





あれも確か暑い日だった。



ついに決勝まで勝ち上がって
夢の甲子園まであと一歩。


そんな時だった。


セミが煩く鳴いていたのを覚えている。



相手の投手がボールを投げた瞬間、
バッターボックスにいた蒼大が倒れた。



……何が起きたのか、全く分からなかった。



周りの仲間達が一斉にグラウンドの中央へ
駆け出していって。



一足遅く駆け寄ると、
頭を抱えて倒れている蒼大の姿。


すぐに担架がやってきて
あっという間に連れていかれてしまった。



足下に残っていたのは
粉砕したヘルメットと、その破片。


割れているところを見ると、
こめかみの辺りにボールが当たったらしい。




< 15 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop