未明の三日月 ~その後
「ねえ佳宏、そろそろ 性別がわかるみたいよ。」
美咲が言うと、
「美咲、知りたいの?」
佳宏は 笑顔で美咲に聞く。
「うん。気になるじゃない。その方が 準備もしやすいし。」
美咲も微笑んで答える。
「俺は、お楽しみがいいな。」
佳宏は 少し照れた顔で言う。
「名前もあるし。佳宏 考えている?」
美咲が聞くと、佳宏は 無言で微笑む。
「何か、考えているの?」
美咲はもう一度聞く。
佳宏は黙って頷く。
「教えてよ。」
「やだ。絶対、美咲に 却下されるから。」
佳宏は笑顔で答える。
「それは名前次第だよ。」
美咲が言う。
「ほらね。生まれるまで言わないよ。」
佳宏も 楽しそうに言った。