未明の三日月 ~その後
美咲は 臨月の前に 産休に入った。
お腹は どんどん大きくなり、一人で家にいる時間は、少し美咲を不安にした。
「変わった事があったら、すぐに連絡してね。」
佳宏は毎朝、そう言って出勤した。
休日は 二人で、ベビー用品を 買いに行く。
マンションは、少しずつ 赤ちゃんの物が 増えて行く。
「白とクリーム色ばっかり。」
佳宏の希望どおり、赤ちゃんの 性別を聞かなかった二人。
佳宏を 責める目で見て 美咲が言う。
佳宏は嬉しそうに笑いながら、
「いいの。これなら 次の子にも使えるでしょう。」
と言った。