未明の三日月 ~その後
断乳した翌日 佳宏は コーヒー豆を買って 帰って来た。
「はい、お土産。」
と言って、コーヒー豆を 差し出す佳宏。
袋を開けて コーヒー豆を見た途端 美咲の目から 涙が溢れる。
「佳宏、ありがとう。」
立ったまま、佳宏に抱き付いて 涙を流す美咲。
「美咲、コーヒー好きなのに。よく我慢したね。」
佳宏は 美咲の頭を 撫でてくれる。
ハイハイをしてきた詩帆が 佳宏の足に しがみ付き、
「美咲、詩帆ちゃんが ヤキモチ妬いているよ。」
と佳宏は嬉しそうに言う。
美咲をそっと離して 詩帆を抱き上げる佳宏。
美咲は、笑いながら涙を拭った。