未明の三日月 ~その後
「ねえ美咲。つわりじゃない?」
佳宏は、ハッとした顔で 美咲を見る。
「えっ。まさか。」
と言って 美咲も佳宏を見た。
そう言えば、今月の生理は 少し遅れている。
「こんなに突然、つわりってなるの?」
美咲はつい、佳宏に聞いてしまう。
「わかんないけど。とにかく美咲、今日は休んで。落ち着いたら、妊娠検査薬やってみて。」
佳宏は 美咲の肩を抱いて、ベッドまで 連れて行ってくれた。
導かれるまま、美咲はベッドに横になる。
「ごめんね、佳宏。朝ごはん、棚にパンがあるから。食べて行ってね。」
毛布を 胸まで引き上げて 美咲が言う。
「俺は 大丈夫だよ。何かあったら すぐに連絡して。」
佳宏は、美咲のスマホを ベッドに置いて、そっと寝室のドア閉めた。