未明の三日月 ~その後
佳宏は 美咲の涙を そっと拭いながら、
「うん。今の俺を作ってくれたのは 美咲だよ。俺 若い頃より 少しは 自分に自信が持てたからさ。」
佳宏の言葉に 美咲の瞳から 次々と涙が流れてくる。
「美咲も 今の方が ずっと綺麗だよ。若い頃も 可愛かったけどね。」
黙って涙を流す美咲に、佳宏は言う。
「本当?」
美咲は 掠れる声で聞く。
「今の美咲にしたの、俺だって 自信があるから。美咲が綺麗になるのが 嬉しいよ。」
佳宏は 優しい目で 美咲を見つめる。
「私ね みんなが健康で 毎日 笑っているだけで すごく幸せ。佳宏と こうしているだけで。」
美咲は、本格的に泣き始める。
「俺も。美咲 抱いていると 何もいらないよ。」
佳宏は 美咲の唇を塞ぐ。
泣きながら交わす口づけは 気持ちが昂って 美咲の体を熱くする。
最近の美咲は 体中を駆け巡る 新しい歓びを 知ってしまった。
「俺、美咲に夢中。」
佳宏は 甘く言って 美咲に体を沈める。
佳宏への愛が 美咲の歓びを深めていく。
二人、淫らに果てた後 照れて見つめ合う。
「なんで、こんなに凄いの?」
すっかり泣き止んで 気怠気に言う美咲に、
「また明日ね。」
佳宏は甘い笑顔で答えた。