自分らしさ。


「……苦しくないの?」



そうやって笑って。


ニセモノの笑顔で人から離れようとして。



そんな私の問いかけに答える悠ちゃん。





「苦しいよ」



……そうだよね。


聞かなくても、そのくらいは分かるのに。




私が黙っていると、悠ちゃんは空をあおいで言葉を続けた。




「苦しいよ。
だけど、闘っているから、苦しいんだよ」



悠ちゃんが抱えるもの。



悠ちゃんは自分が抱える深い闇と闘っているから、心も体も傷ついて。


苦しんで。



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