幸せと隣り合わせの君に蜜
2話　寂しさの始まり
一彦と私はずっと昔から一緒だった。
でも一彦が結婚をして私の恋という感情はなくなる。はずだった……
一彦が結婚をして一年が経つころ、一彦に呼ばれた私は一彦の元へ向かった。
待ち合わせ場所に着いた時、一彦は酒で酔っていた。
「大丈夫？」
　そういう私に一彦ははっきりしない言葉でミサの愚痴をこぼし始めた。
一年経って不満が爆発したのかミサは実家に一時的に帰ることになった。
そう聞いて、少し気が緩んでいた。
でも、最初は不倫なんて考えなかった。
「とりあえず、家に送るから」
　そう言った私は腕を引っ張られた。
唇に何かが当たる。それは、一彦の唇。
その時、思い出してしまった。
昔、私が抱いていた恋という感情を。
そして今もその関係が続いてしまっている。

　遠くで私の名前を呼ばれた気がして我に返る。
「里美大丈夫？ぼーっとしてたけど」
「うん。大丈夫」
「ならよかった」
　そう言ってもう一度、一彦はキスをする。
今度は長いキスを……
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