【完】淡い雪 キミと僕と

「アハハ、山岡さんって綺麗なのに案外毒舌だからッ。
そうです、決してかっこいい人ではないんですけど、素敵な人なんです。何回か一緒にお食事に行ってるんですけど、中身を知れば知るほど良い人だなぁ~って。
でもわたし全然恋愛経験豊富じゃないし、どうしたら進展するか分からないんですよねぇ…」

彼の事を話す千田ちゃんは、とても可愛らしく見えた。外見は並なのに、何故か凄く可愛く見えてしまったんだ。

それはそこに少しも邪な気持ちがないからだと思う。

この子は中身がとても素敵な女の子なのだ。自分が恥ずかしくなってしまうくらい。

「そうなの、でも雪村さんも千田ちゃんを特別だとは思ってると思うけどね。それにとってもお似合いだと思うわ」

嫌味なく、それは心からの本心だった。人の良さそうな雪村と、裏表のない優しさを持っている千田ちゃんは、きっとお似合いだ。

「そうですかー?!そうだったらいいんですけどねぇ。今度、山岡さんの恋バナも聞きたいですッ」

キラキラと目を輝く千田ちゃんは、純粋そのもので、とても眩しい。

わたしも彼女くらいの素直さや純真さがあったのなら、西城さんにあんな事を言われなかったとも思う。

「わたしの恋バナなんて、大した事ないわよ。」

「きっと山岡さんと付き合う人って素敵な人なんだろーな。わたしとは全然世界が違うような。シンデレラストーリーの主役になれそうな人ですもん、山岡さんって」

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