【完】淡い雪 キミと僕と
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―――――
出会いは1年ほど前に遡る。
俺の名は、西城大輝という。
大きいに輝くと書いて、だいき。大層な名をつけてくれたのは今も健在な祖父だ。
そして西城グループの跡取り息子でもある。
生まれた星の下は選べない、なんていつか誰かが言っていた気がする。
現在祖父が会長をしていて、父親が社長を務める西城グループは全国に数十店舗ある日本のホテル運営グループの事業持株会社である。
祖母の父親。つまりは曽祖父の代から続く、老舗ホテルとされるホテルチェーンだ。
俺はその4代目にあたるという事で、生まれながらにして、金持ちでお坊ちゃまな訳である。
幼き頃から将来は決められていた。それと同時に英才教育を受けて
幼稚園から大学までエスカレーター式のお坊ちゃま学校に進学をして、祖父や父親には子供のころからホテル業界の英才教育を施されてきた。
けれど俺は
部活でやっていたサッカーが好きだったし、サッカー選手にもなりたかった。
飛行機が好きだったから、パイロットにもなりたかったし、もっともっと広い世界を見て、大きな夢を探したかった。
だが現実問題、幼き頃から自分の道は既に決められていると知っていた子供らしくない子供だった。
純粋な子供つーのは、親の期待に応えたいと勝手に思ってしまう生き物なのだという。
それは、親を深く深く愛しているためだ。自覚がないにしろあるにしろ小さな子供にとって親は絶対であり、小さな頃から「西城グループを継ぐのはお前だ」と言われ続けたら、それが親の願いであったにしろ、自分の願いにすり替えてしまうものである。
なんつーエゴだ。とは思う。それは洗脳に近かったとも。けれどそれは俺が生まれた星。
誰からも羨まれた。けれど俺は自分の生まれた星の下が幸せだと思った日は1日だって無い。
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出会いは1年ほど前に遡る。
俺の名は、西城大輝という。
大きいに輝くと書いて、だいき。大層な名をつけてくれたのは今も健在な祖父だ。
そして西城グループの跡取り息子でもある。
生まれた星の下は選べない、なんていつか誰かが言っていた気がする。
現在祖父が会長をしていて、父親が社長を務める西城グループは全国に数十店舗ある日本のホテル運営グループの事業持株会社である。
祖母の父親。つまりは曽祖父の代から続く、老舗ホテルとされるホテルチェーンだ。
俺はその4代目にあたるという事で、生まれながらにして、金持ちでお坊ちゃまな訳である。
幼き頃から将来は決められていた。それと同時に英才教育を受けて
幼稚園から大学までエスカレーター式のお坊ちゃま学校に進学をして、祖父や父親には子供のころからホテル業界の英才教育を施されてきた。
けれど俺は
部活でやっていたサッカーが好きだったし、サッカー選手にもなりたかった。
飛行機が好きだったから、パイロットにもなりたかったし、もっともっと広い世界を見て、大きな夢を探したかった。
だが現実問題、幼き頃から自分の道は既に決められていると知っていた子供らしくない子供だった。
純粋な子供つーのは、親の期待に応えたいと勝手に思ってしまう生き物なのだという。
それは、親を深く深く愛しているためだ。自覚がないにしろあるにしろ小さな子供にとって親は絶対であり、小さな頃から「西城グループを継ぐのはお前だ」と言われ続けたら、それが親の願いであったにしろ、自分の願いにすり替えてしまうものである。
なんつーエゴだ。とは思う。それは洗脳に近かったとも。けれどそれは俺が生まれた星。
誰からも羨まれた。けれど俺は自分の生まれた星の下が幸せだと思った日は1日だって無い。