【完】淡い雪 キミと僕と

びっくりしてしまう程美しい女がゴロゴロといた。中身は別として。

売り出し中のグラビアアイドルやモデルに毛が生えたような読者モデル。大手企業に勤めるOLもいたし、若き女経営者つー感じの女もいた。

ごくごく普通の女もいたけれど、ここは女もランク付けをされるような下らない世界で、SSランクからCランクまで見えないピラミッドで構築されていた。



山岡美麗もそんな女の中のひとりだった。


「山岡美麗です」


知り合い伝いで挨拶をしてきた彼女は、よくいる清楚なお嬢様系の笑顔が可愛らしい女性だった。

まぁよくてAランク。学生時代からクラスで1番可愛いくらいはもてはやされたレベルの女で、手にはお決まりの高級ブランドバックを持っていたが、足元のパンプスが少しだけ薄汚れていて痛々しい女だな、と思った。

「初めまして、美麗ちゃん。
西城大輝です」


作り笑顔を作って挨拶をすると、彼女は心底嬉しそうな顔をして、つまらない話を延々と繰り返した。


西城さんですよねーすごいですー
雑誌でお見掛けしましたー
素敵な人ですねー
どこどこのサパーがー
あそこのフレンチがーイタリアンがー
えー彼氏ーそんなのいませんよウフフー



それはクソ程聞いてきて、クソ程欠伸が出る話だ。
毎日と言って繰り返される中身のない会話。


ここに集う女は最新のブランドバック、お洒落なカフェやレストラン、インスタ映えするキラキラとしたスポットが大好きで

そして男の年収にしか興味のない頭の空っぽな女ばかりが存在する。

そして俺に抱かれたい女など、掃いて捨てるほど存在するのだ。

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