【完】淡い雪 キミと僕と
「それに…何か自分の人生が会社によって決められているような気がして、気にくわん。
と、思うと同時に俺はそういった星の下に生まれた人間だから仕方がないって気持ちもどこかにはある」
そんなのは、もっと切ないじゃない。
大企業の息子に生まれたからと言って、結婚も好きな人と出来やしないって言うの?
そんなの変!変!変!ぜぇーったい変!
「それはおかしいわ!あなたにはあなたの気持ちがあるんだから…
気に入らない女性ならば、そんな縁談破談にするべきよッ!」
余りに強い気迫で言ったものだから、少し彼が驚いた気がする。そして、悪戯な笑みを作るのだ。
「なんだァ?まさか、アンタやきもちとか?」
ニヤリと口角が上がる。だからどうしてこういう時だけそんなに楽しそうだと言うのだ。
「なッ馬鹿じゃないの?!何でわたしがアンタと見ず知らずのお嬢様のやきもちを妬かないといけないっていうのよ?!」
「お、顔が少し赤くなっているじゃあないか?」
「誰がよ!目がおかしくなってんじゃないの?!それとも目が開いていない?!小さな目ですもんねぇ~」
「俺は目は小さくはない。奥二重なだけだ」
「一重の人は必ず自分を奥二重と言い切るのよ」
「何を?!よく見て見ろッ」