【完】淡い雪 キミと僕と
「同じモデルの女の子と喧嘩して。そしたらあたしの過去とか話してんの。
パパがいるとか、お金に汚いとか。だからあたしもそいつの秘密暴露してやったわよ!
でも汚いのよッ?!ファン使ってあたしを叩かそうとしてるんだから、そのせいでSNSにひっきりなしにアンチからメールがくるっての!」
「それは酷い話だな」
まぁ、パパがいるのもお金に汚いのも間違った情報ではないじゃないか。とは言わないで置こう。火に油を注ぐ程馬鹿ではない。
炎上の火がこっちにまで降りかかったらたまったもんじゃない。
友理奈は相当苛々しているようで煙草を消してはつけて、足を何度も貧乏ゆすりさせた。
「ほんっとムカつくの!」
「友理奈はネットでも人気のある有名人だから、そういったのは有名税って奴だろう」
「それにしたって割に合わないっての!仕事にも支障をきたすっていうのよ。
ネットの人間はちょっとでも何かあったら人の事をつつきたくてたまらないんだから。くっだらない!」
けれどそんな下らないネットの世界に顔出しをして、有名人気取りでチヤホヤされて喜んでいるのは君だろう?
そしてそこには仕事として金銭も発生する。
彼女がそういった仕事でどれだけ稼いでいるか、そして炎上したらどれだけの損失かは知らないけれど、それは全て自己責任っていう奴なんではないだろうか。
女というのは何故こんなに承認欲求というものが強いものなのだろう。
誰かに見て褒めてもらいたくて仕方がない癖に、それを否定されるのは許さない。
見ず知らずの人に何かを言われるのが嫌ならば、全世界に自分を公開すべきではない。そういう活動は、覚悟を持っている人間がやるべきだ。