【完】淡い雪 キミと僕と

「コレって。
美麗じゃないの?」

その動画には、ばっちし美麗の姿も映っていたようで、彼女の右手にあった携帯を無理やり奪い取る。

友理奈の表情がさっきよりも少し険しくなった気がした。

「どういう事?大輝くん美麗と繋がってるの?
全然連絡取ってないって言ってなかったっけ?」

「いや…これは…まぁちょっと…。」

「どういう事?!」

いや、怒られる意味が分からん。

確かに美麗との関係は何も進展していないと伝えた。

会って等いないと嘘もついた。それはいちいち説明をするのが面倒だったからだ。

だって実際に俺と美麗は何ら関係がない。週のほぼを会ってはいたりしたが、そこには男女の関係は一切無かったし、お互いにそういった気持ちも無い。

そんな関係、わざわざ説明するまでもないだろう?

「どういう事も何も…最近なんだ。友人の知り合いで再会して…
それで彼女には猫を預かって貰っているだけで、友理奈が思っているような事はない」

だから何故俺はこんな言い訳染みた事を。

こいつの良い所は、決して俺とは結婚が出来るとも付き合えるとも思っていなく、彼女面といった面倒な事もしてこない所だったのだが。

それを何を彼女面をして、そんなに怒り狂っているというんだ。…ああ、こいつもそろそろ切り時か。頭の中でそんな最低な事ばかりを考えていた。

「何?美麗とヤったの?」


「だからヤっていない。俺は彼女が苦手なんだ。仕方がなくと言った感じで、猫を預かってもらってるというだけというか。
それに彼女は全く持ってタイプではない」

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