【完】淡い雪 キミと僕と
そうきっぱりと言い切ったら、再び友理奈は小さく貧乏ゆすりをした。
どうしてここまで美麗が嫌いだと言うのか。
元はと言えば俺に美麗を紹介してきたのは、友理奈自身だ。綺麗な顔で微笑み「連絡先でも交換したら?」なんて言って、あの時はにこにこと笑っていたじゃないか。
俺だって好き好んで美麗と繋がった訳ではない。
出来るならば、ああいったタイプとは最初から関わりにならない方が1番だったのに。
それでも友理奈が美麗を毛嫌いしている理由は、何となく理解る。
あいつは実は真っ直ぐで純真な所があるから、そこが気にくわないのだろう。
そして妙に男が放っておけないタイプだということも、女には十分に分かる。
やはり美麗は男好きして、見る人から見れば、狡くも見える。だから俺が彼女を相手にしていないと知り、友理奈はとても喜んでいたのだと思う。
そして、彼女はそうなる事を分かっていて、俺に美麗を紹介したのだろう。
自分は彼とは関係を持てるけれど、アンタには無理。といった一種のマウントという奴か。実に下らない。そういった女同士のドロドロは傍から見れば滑稽なのだ。
「そう?でも大輝くんに猫なんて預けられてあの子だって期待してるんじゃないの?
だってあの子、’馬鹿’だから。
自分にもチャンスがあるなんて期待しちゃってるんじゃないの?
あんな子、大輝くんに相手にされるわけないのにね~。
本当に美麗のそういう所ムカつくわ。大輝くんも大輝くんよ、ああいう子に期待を持たせたら、後で面倒な事になるんだから」
美麗は確かに馬鹿な所がある。 だけど……。
「お前が思っているような子ではない」