【完】淡い雪 キミと僕と

「アンタもB型なのか。まさか一緒だったとはな。これは気が合う訳だ」

その言葉にしかめていた顔はゆっくりと緩んでいって、彼女はまた笑いだす。

「気が合う訳だって。アンタマジで天然な所あるわよね。
世の中に血液型なんて4種類しかないんだから、それじゃあ世界中気の合う人間だらけになっちゃうじゃないの。
それより背中出して、ほら」

天然は、心外だが。

言われた通りに美麗へ背中を向けると、柔らかい手でモーラステープを張り付けた。 それはとても温かい手のひらで、もう背中なんてちっとも痛くはなかったけれど、今は君の優しさに甘えていたい。

「ところで、アンタの誕生日はいつなんだ」

「3月28日」

「牡羊座のB型か。今度相性占いをしておく」

「プッ。だから相性占いって、アンタに全く似合わないね」

そうだ、今度本屋に行ったら占いの本を買おう。いや、一層占い師に見てもらうか?

相性以前に、自分の中に芽生えたこの気持ちの理由が知りたい。側に居ると安心するというか、一緒にいると温かくて満たされていく気持ち。

1000円のスウェットが嬉しいというこの気持ち。 勉強はよく出来た俺だが、説明しようとすればするほど頭がこんがらがっていくのだ。

その後美麗もお風呂に入り、小腹を満たすために一緒に料理をした。美麗がこの間キッチンに立っていたのがとても楽しそうに見えたから、一度一緒に料理をしてみたかったんだ。

彼女は今日もちっとも料理は上手じゃなかったけれど、俺は意外に器用だったようで、レシピサイト通りに作っていたら綺麗なオムライスが出来た。それを見て何故か彼女はとても悔しがっていた。

そしてあっという間に夜更けも過ぎて、共にベッドに入る事になった。


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