【完】淡い雪 キミと僕と
オープンキッチンもお洒落だぞ?広いし料理はしやすい。ふたりで並んでも余裕だ。でも俺は、アンタの狭いキッチンで一緒に料理するのも悪くはないと思い始めている。
そして風呂も風呂ですごい。この高身長の俺が余裕で足を伸ばせるバスルーム。大理石だぞ?!アンタは大理石って見た事があるか?あるわけないよなぁ~?一般市民だもんな~?それに浴槽とシャワールームは独立してる造りになっている。
それも外国みたいでお洒落だろう?アンタはきっと外国の映画ばかり見てそれに憧れを抱いちゃっている女だと思うから、喜ぶだろう。
大きなバルコニーもある。バーベキューなんかもしたかったら好きにしたらいい。
ベッドルームにあるベッドはキングサイズだ。ひとつしかないから、別々に寝る選択肢は与えられない。
一緒に寝ればいいじゃないか。俺はアンタは抱きしめながら眠るととても安心する。
彼女が釣れそうな言葉をずらずらと並べてみても、どこか虚しいだけだった。 どうして俺は、いつだって金でなびかないような女ばかり好きになってしまうんだろう。
誰かに相談したい…。告白をすると決めたといえ、人はいつだって誰かからの後押しが欲しい物だ。
隼人に…。いや、あいつに相談なんてした所で馬鹿にされるのがおちだ。
それならば……。
「もしもしー!!!」
思わず電話を耳から引き離した。
鼓膜が破れそうな程大きな声。けれど、懐かしいその声。 そういえばメッセージのやり取りはしていたが電話で声を聴くのは久しぶりだ。