【完】淡い雪 キミと僕と

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あのパーティーで、西城さんの連絡先をゲットした事を周りの友人は羨ましがっていた。

ただ連絡先をゲットしただけであるのにあの時は有頂天に舞い上がってしまって、わたしの未来は社長夫人?!などとよくも思えたものだ。

自分が恥ずかしい。冷静に考えて見れば、そもそも住む世界が違ったし、初めから西城さんにその気などなかった。

わたしなど、港区にゴロゴロと転がっている女のうちのひとりだっただろう。



連絡先を交換した日から
メール攻撃は始まった。

当たり障りのない内容から、今日は晴れてますね、とかお仕事は忙しいですか?なんて
どうでも良い内容の繰り返し。ただ西城さんは中々マメというか、必ず返信はしてくれた。短文ではあったけれど

あちらからメッセージが送られてくる事は一度たりともなかったけれども。


「それって美麗に気があるんじゃないの?」

「まさかぁー…だって西城さんだよ?!あの西城グループの跡取り息子なんだよ」

「だって美麗って可愛いし、綺麗だし、美麗に落とせない男なんていないって」

「えー?!莉子こそ、スタイル良いしモデルさんみたいで羨ましいよぉ」

「あたしなんてー…全然だめ、だめ。
でもね~聞いて~!この間芸能人の人とヤっちゃったぁ!」

「えぇ?!すごい~!誰?!誰?!」

クソ中身のない、馬鹿女の会話だ。

莉子が話してくれた芸能人はまだ駆け出しの俳優と言った感じで、テレビでなんか一切見たこともなかった。

画像を見せてくれてもいまいちピンとはこなかった。けれども口では「すっご~い」と言っておいた。ただ遊ばれてるだけじゃん、とは口が裂けても言えないし、言わない。




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