【完】淡い雪 キミと僕と
13.大輝『結婚さえも自由は与えられないと言う訳ですか?』
13.大輝『結婚さえも自由は与えられないと言う訳ですか?』
まぁこうなる事は分かっていた。
美麗が俺の事を好きなの事等とっくの昔に見抜いていた。じゃあどうしてあんなに不安がっていたって?
どうせこの馬鹿女の事。俺に惚れていたとしても、それを口にするのは出来なかったのだろう。
琴子の事も知ってたし、婚約者らしき女もいた。だから’わたしなんて’といじけていたに違いない。
(ハァ~…本当に美麗が俺を好きで良かった。ついつい必死になり、井上晴人のような男になると言ってしまったけど、無理だろ。それに本気で整形を考えるまではあいつが好きなぱっちり二重にはなりたかった。それにしても、両想いで本当に良かった。しかし勿体ぶる女だ。好きならばさっさと好きと言ってしまえば良かったのに)
美麗は天邪鬼だ。言動と行動が伴わない事が多々ある。
しかしもっと天邪鬼だったのは、この俺だ。
告白をしたはいいが、不安で不安でたまらなかった。
だから自分に出来る全ての事を思いつくままに言い、何とか彼女の気持ちをこちらへ向かせるのに必死だった。
雪が1番、俺は2番。けれど、それは許そうと思う。勿論何事も一等賞に勝る物は無い。
だが、雪にはわざと負けてやろうと思う。俺の最愛の息子だ。母は息子が1番好きなもんだ。