【完】淡い雪 キミと僕と
「痛ぇな!」
慌てて布団から顔を出すと、はだけた衣類と共に上半身が少しだけ露出していて、両手で口元を覆い、目元は眉を下げ真っ赤に潤んでいて僅かに見えた口元は下唇を噛んでいて、何かを我慢しているようにも見えた。
だからそういう顔は男をそそらせるだけだと言うのを覚えておいて頂きたいものだ。
「何だ、気持ちが良かったのか?」
「うるさいなぁー。そういう恥ずかしい言葉を平気で口にするの止めてよ!」
「君が気持ちよくなってくれて嬉しいよ。では…続きを」
「だから今日は駄目!!!」
強情な女だ。
生理など、気にはしないと言っているのに。
どれだけ我慢させればいいのだ。アンタを初めて抱いた日から禁欲生活は続いていたというのに。
「何日後ならいいのだ?」
「もう、そういう事聞かないでよ!ほんっと無神経なんだから。後2日くらいじゃん?」
「では2日後は一晩中よろしく頼む」
「だからさぁ~……」
「誰にでも言ってる訳ではない。俺の体は美麗ではないと駄目になってしまったのだ。
体がバグって馬鹿になったらしい。
それよりアンタはいつまで俺を西城さんなどと他人行儀な呼び方で呼ぶつもりだ」
俺の人生設計図は、今日決まったばかりだ。
その設計図が順調に進んでいくのならば、美麗もそのうち’西城’になるんだ。
自分も西城であると言うのに、俺をいつまでも西城さんと呼んでいるのには何だか違和感があるだろう?