【完】淡い雪 キミと僕と
「最近は体がなまっていてな。冬になるからかな…。でも最近は寒くなってきて、老体にはキツイ…」
「じゃあ室内でボウリングとかはどうでしょうか?
最近の室内アミューズメントパークは、色々なスポーツが出来たりしますよ。バッティングセンターなども入っていますし。
結構楽しいので1日いっぱい遊べますよ」
「いいな、それ。今度行こう。
飯屋も入ってるのか?」
「軽い軽食なんかは……ファストフードのようなもんですが」
「俺ハンバーガーとか好きなんだよなぁ。楽しみだなぁ」
そのうち、プリクラでも一緒に撮ろうと言いだしたりしないだろうか。
彼女気取りのこの親父は…。
美麗は美麗パパに向かって「ばっかじゃないの」と悪態をつく。
そんな様子をクスクスと笑いながら見て、美麗ママは次々にお好み焼きを焼き上げる。
ホットプレートには綺麗な丸になっている具材たっぷりのお好み焼き。それを器用にひっくり返す。
そして何故か隅っこにはタコさんウィンナーやら、ホタテやら野菜も焼かれている。冷蔵庫の残り物処理と言った所か。
「大輝くん食べて~いっぱい焼くから」
「はい、ありがとうございます。
頂く前に、今日はおふたりに話があって来たのですが…」
隣の美麗はギョッとした顔をしていて、美麗の両親は「何々~?」とこれから繰り出される俺の話に興味津々のようだった。
…これは、両親にとっては楽しい話ではないと思うのだが。