【完】淡い雪 キミと僕と
「そ、そうだったんですね…。
ラインの事は本当にごめんなさい。早急に早瀬さんにお繋ぎします」
わたしが連絡する前に、千田ちゃんが商品開発部へ連絡をしていました。
こちらを見て、ウィンクをした。佐久間さんと話していろという事なのだろうか…。
いやそれは非常に気まずい。彼女が気が利く事は前から分かってたし、とても助かっていた事なのだけれど、今回ばかりは余計なお世話なのよ。
佐久間さんは一切悪びれる事なく、受付のカウンターに肘を置いて、その大きな瞳でこちらを凝視してくる。
…そんなに見ないでッ!
「なーんでブロックするのさぁー」
「いえ、あれは操作の誤りと言うか…なんというか。わざとではないんです…」
「えーじゃあ今番号交換していい?」
「いえ、それは無理です…。あの困ります…」
「もしかしてルナに来たあの男が原因?
あの人西城グループの西城大輝さんだよね?」
わたしにだけ聴こえる距離で小さな声で言った。
まるでこの状況を楽しんでいるかのように、ニカッと白い歯をむき出して彼は笑う。笑うと浮かび上がる笑窪が可愛らしいと思っていたけど、その笑顔は悪魔にしか見えなかった。
「あの…あの…」
「あの人って美麗ちゃんの彼氏?」
「か、彼氏?!
め、め、めっそうもないです」
ぷはっと吹き出して「分かりやすいなぁ~」とまた笑った。
何食わぬ顔をして、「早瀬さんに訊いて見ようかな~」と白々しく彼は言う。
いや、それは不味い。早瀬さんは不味い。早瀬さんなどという歩く週刊誌のような人物に知れ渡ると、会社中に言いふらされる羽目になる。
西城さんと付き合ってるなんて知られたら…わたしだって、彼だって困る。
ラインの事は本当にごめんなさい。早急に早瀬さんにお繋ぎします」
わたしが連絡する前に、千田ちゃんが商品開発部へ連絡をしていました。
こちらを見て、ウィンクをした。佐久間さんと話していろという事なのだろうか…。
いやそれは非常に気まずい。彼女が気が利く事は前から分かってたし、とても助かっていた事なのだけれど、今回ばかりは余計なお世話なのよ。
佐久間さんは一切悪びれる事なく、受付のカウンターに肘を置いて、その大きな瞳でこちらを凝視してくる。
…そんなに見ないでッ!
「なーんでブロックするのさぁー」
「いえ、あれは操作の誤りと言うか…なんというか。わざとではないんです…」
「えーじゃあ今番号交換していい?」
「いえ、それは無理です…。あの困ります…」
「もしかしてルナに来たあの男が原因?
あの人西城グループの西城大輝さんだよね?」
わたしにだけ聴こえる距離で小さな声で言った。
まるでこの状況を楽しんでいるかのように、ニカッと白い歯をむき出して彼は笑う。笑うと浮かび上がる笑窪が可愛らしいと思っていたけど、その笑顔は悪魔にしか見えなかった。
「あの…あの…」
「あの人って美麗ちゃんの彼氏?」
「か、彼氏?!
め、め、めっそうもないです」
ぷはっと吹き出して「分かりやすいなぁ~」とまた笑った。
何食わぬ顔をして、「早瀬さんに訊いて見ようかな~」と白々しく彼は言う。
いや、それは不味い。早瀬さんは不味い。早瀬さんなどという歩く週刊誌のような人物に知れ渡ると、会社中に言いふらされる羽目になる。
西城さんと付き合ってるなんて知られたら…わたしだって、彼だって困る。