【完】淡い雪 キミと僕と

「何だ…アンタから誘ってきたくせに…」

「お風呂も入らない不潔な状態では絶対に嫌。
それよりご飯作るよ。お腹が空いて死にそうなんだから」

全く最近は調子に乗り過ぎて困る。

どれだけ性欲が強いというのか。自称性欲は余りない、は一体何だったと言うのだろう。

朝も晩も何度も何度も求めてきて、最近寝不足なのだ。8時間睡眠をしないと何故か調子が出ないわたしだけど、その割にはお肌の調子はいつもより良かった。



毎日のように家にいる。こうやってわたしよりも先に帰って来る事もあればえらく遅い時間に帰って来る事もある。

けれど必ずやって来る。

こんなんだったら一緒に暮らした方が楽ではないか?と話も出ているのだが、このマンションは狭すぎる。二人分の荷物は置けないだろう。

かといって、西城さんのタワーマンションは嫌だった。あそこは広すぎる。あんな広いマンションで暮らしたら、喧嘩した時もそれぞれの部屋に立てこもり、仲直りするのも難しそうだ。

広くも狭くもなくて、生活出来るのに十分な広さ。出来ればここの近くが良い。だって雪のかかりつけの獣医もいるし、何かと安心だ。

食事中、彼がおもむろに口を開く。それはそれは真剣な顔をして

「雪、大丈夫かな?」

当の雪は、元気よくご飯を食べている。更には最近は西城さんがおやつの味を覚えさせてしまったから、何度も強請る。

甘え上手な雪に乗せられ、ついついあげてしまう。結果、最近の雪はめきめき成長している。…特に横の方に。

そして今週末獣医の所で去勢手術が待っている訳、だが…。


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