【完】淡い雪 キミと僕と

「大丈夫でしょう。先生に任せておけば。
それに雌猫は入院しなきゃいけないけど、雄猫は日帰りで帰って来れるらしいし」

「そうは言っても万が一、雪の手術が失敗したら…」

「そんな小難しい手術じゃないんだし…」

「アンタは薄情だッ!雪の体を何だと思っている?!」

「もぉ~…大袈裟なんだってば~…去勢手術で死んだ猫なんて聞いた事ないわよ。
それに去勢する事で色々なリスクを減らせるならその方がいいんだから…」

「まぁそりゃそうだが…
あぁ、そうだ。クリスマスに旅行に行くぞ」

「は?」

一体今の話の何の繋がりで何故いきなり旅行になるというのだ。

けれど、西城さんはさも当然と言った感じで話を進める。

全然話が読めない。それどころかもうクリスマスを意識するような時期になったのだとたった今意識したばかりだ。

最近はバタバタしていたせいもあってか、季節が変わった事にすら気づかなかった。

「クリスマスは土日のはずだが?」

「今年はそうなのね…。知らなかった。でもいきなり旅行に行くなんて強引だと思うわ。
わたしの予定も聞かずに」

「はぁー?!アンタまさかクリスマスを俺以外の誰かと過ごそうとしていたってのか?!」

「そうね。初めてのクリスマスだもの。せっかくならば雪と一緒に過ごしたかったわ」

「それは…俺もそうは思ったが…。
美麗ママが嬉しそうにクリスマスは雪ちゃんを預かってあげるからゆっくりしておいでね~って言うもんだから」


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