【完】淡い雪 キミと僕と

ゲームのアプリを起動して、丁度井上さんと琴子さんもログインしていたので、落ち合う。

チャット機能のついているこのゲームは、暇つぶしで始めたものではあったが、当時井上さんが好きだった頃彼もやっていると聞いてから真面目にレベル上げもするようになり、彼関係なくハマってしまったゲームである。

自分の選択キャラクターで、同じギルドの人間と一緒にモンスターを倒すゲーム。


最近は西城さんと一緒にいる日が多くなってログインも出来てなかったが、井上さんと琴子さん休日はこのゲームをしっぱなしらしいので、ログインすると大抵はいる。

直接会って再び話す事はまだ出来なかったけれど、ゲーム内のチャットで琴子さんと何回もやり取りをしていた。その中で、わたし達はとても仲良しになっていた。



今日も戦闘をしながら、仲の良い者同士でチャットをしながらゲームを進めていた。

そこで琴子さんがいきなり驚くような事を文字に打ち込んできた。それは、ゲームには全く関係のない内容だった。

『最近大輝の携帯が繋がらなくなったんだけど、何か知らない?』

『知るわけないだろ』

琴子さんのわたしへ対する問いかけに、井上さんが突っ込む。
このふたりは何を一緒にいるのにゲーム内でやり取りをしていると言うのだ。

『さぁ、知らないけれど…』

あの男……。


携帯を水没させたのはいいが、その中にはどうやら琴子さんのデーターも入っていたらしい。それで、連絡が取れなくなったそうだ。
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