【完】淡い雪 キミと僕と
佐久間さんは顔パスらしく直ぐに個室に案内された。
まるで外国に来たような造りに、思わず歓喜の声を上げてしまう。
「かわい~いッ。素敵ッ。噂には聞いてはいたけれど、本当に素敵なお店だわ。
佐久間さん見て!このグラスも可愛いわ!」
思わず興奮して、ハッとしてしまう。
佐久間さんは椅子に腰を掛け頬杖をつきながら、嬉しそうにはしゃぐわたしの姿を見ていた。
「何かはしゃいじゃってすいません…」
「全然だよーッ。美麗ちゃんが喜んでくれてすっごく嬉しいッ。ここはね、造りも可愛いけど料理もすごく美味しいんだよ。
パスタもピザも何でも美味しいんだから、好きな物をいくらでも頼んでね~ッ!」
手渡されたメニュー表まで、可愛い。黒と赤で統一されている店内とお揃いだ。
その中のメニューも、美味しそうな物ばかりだった。
「キャーッ!美味しそうで迷うーッ。
サーモンのクリームパスタ美味しそうッ。
それにデザートもやばーいッ。でも太っちゃう~。どうしよう~ッ
キャーッ、キャーッ」
思わずはしゃいでしまった…。
その様子を見て、佐久間さんは呆れるでも何でもなく、優しい眼差しで見つめてくるばかりだった。
少し落ち着かねば。これじゃあ、佐久間さんのペースに飲まれてしまう。今日は楽しむ為にランチに来ている訳ではない。
お互いに注文をして、飲み物が届いてから一息つく。