【完】淡い雪 キミと僕と
「待って!西城さん!それは誤解なのッ!」
肩に手を掛けようとしたら、冷たく突き放された。
それはさっき、わたしが西城さんにしたのと同じように――。
振り向いた彼の瞳は、恐ろしほど冷たかった。
「確かに俺も菫さんとの事は黙っていて悪かったと思う。
けれど、アンタも人の事が言えるか?!」
「待って、西城さん!」
話も聞いてくれず、冷たく玄関の扉はしまった。
怒らせた。完璧に。あんなに怖い顔をして怒る彼を見るのは初めてだった。
わたし、一体何をやってると言うのよ…。玄関に座り込み、嗚咽を漏らすと、心配そうに雪が側に寄ってきて、小さく鳴いた。
クリスマス旅行前、わたし達は最悪な喧嘩をしてしまった…。